自サイトショップの営業は11月の灯しびとの集いが終わるまで無理と思っていたが、炉の修理が思ったより早く終わり、その後の作業もまずまず順調なので見切り発車で再開することにした。これから徐々に涼しくなるので制作数も何とか確保できるだろう。
画像は以前のよりも横に少し量感を増してみたペーパーウェイト「給水塔型文鎮」。自ショップにも補充予定。
ところで自分がネットの販売ページを作り始めると、ネット通販ページの文言やお店のホームページの記事などが今まで以上に気になってくる。あらためて気付くのが、クラフトの紹介文で「どこか懐かしい」というフレーズがものすごく多用されているということだ。デザイナーの佐藤オオキはアップルコンピューター製品の操作音やアイコンのアナログ感を例に挙げて、新製品であっても必ず既視感や懐かしさによる安心感が必要であると述べている。確かに私たち器作家もこれを全く利用していない者はいないだろう。そもそも器のデザインというのは一通り出尽くしているので必ず何かのコピーにはなってしまう。だから「どこか懐かしい」という表現は的を得ているとはいえる。だがうんざりするのはその手垢のついた紋切り型なのだ。だいたいプロなんだから「どこか」懐かしい、じゃなくてどの辺がどう懐かしいのかもう少し書いてもいいのではないか。以前、何かのメディアが世田谷コホロを、田舎のおばあちゃんちの土間のような、と表現していて、そうそうそんな感じと感心したが、もしこれが、どこか懐かしい感じの店内、とか書かれていたら既視感も何も起こりようがない。